ご自宅で食事介助をしているときに、この頃食事を飲み込むときに咽こむ時がある。又、飲み込みに時間がかかるようになった。など感じることはありませんか?
ひょっとしたら嚥下障害(えんげしょうがい)の症状かもしれません。 嚥下障害(えんげしょうがい)により飲み込みに問題がある場合はとろみ剤を使うことで、食べやすくしてあげられる利点があります。
とろみ剤って聞いたことはあるけれど、どうやって使うのか、どう選べばいいのかがよくわからないという方も多いと思います。
実は私も介護の仕事に就くまでは、『あんかけ焼きそばみたいな感じかしら』『片栗粉でも大丈夫かな?』くらいの漠然とした知識しかありませんでした。 恥ずかしい話しですが、これは知識とはいえませんね💦
今回は、とろみ剤に関して! とろみ剤の役割・種類・選び方・についてお話ししたいと思います。
その方に合った適切なとろみ剤選びの参考になれば嬉しく思います。 お気軽に覗いてくださいませ。♡
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とろみ剤とは
★介護食に必要なとろみ剤の特徴は、以下の4つです。
- 食べ物や飲み物をゆっくりと喉に送る。
- 食べ物をまとまりやすくし、容易に飲み込めるようにする。
- 加熱しなくても、短時間でとろみをつけることができる
- 使用量の目安が明記してあるので、使いやすい
介護食でとろみが必要となる理由
介護食でとろみが必要な理由は、誤嚥(ごえん)を防ぐためです。誤嚥とは、加齢により飲み込む力が落ちてきたこと(嚥下障害)が原因で、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことを言います。
刻み食になると口のなかで食べ物がまとまりにくくなったり、小さいがゆえに食道以外の気管などに入りやすくなり飲み込み辛くなる事もあります。
そんな時にとろみ剤を使用することで、食材がコーティングされ喉の奥にスムーズに送り込み、飲み込み易くなります。
介護食にとろみをつけることで、飲み込む力が弱い方でも安全に食事ができます。
嚥下障害(えんげしょうがい)のレベルについて
嚥下障害にはレベルがあります。
以下のレベル1~5の食事形態のうち、どこまでを無理なく食べられるかによって分かれます。
- レベル1
ざらつき、べたつきの少ないお茶や果汁にゼラチンを加えて作る【お茶ゼリー】、【グレープゼラチンセリー】、【りんごゼリー】など
- レベル2 レベル1に比べて粘り、付着性が高い、【ねぎとろ】、【絹ごし豆腐】、【味噌汁ゼリー】、【全卵蒸し(具のない茶碗蒸し】、【プリン】、【サーモンムース】など
- レベル3
【水ようかん】、【卵料理】など - レベル4
こしあん、かぼちゃのやわらか煮など - レベル5 (普通食)
しいたけ、ロールパン、五目ひじきなど
レベル1の食事しか食べられない方は、重度の嚥下障害と考えられます。
レベル5の普通食を食べられる方は、嚥下障害に問題はないと考えてよいでしょう。
とろみ剤の選び方
どんなとろみ剤がいいの?
実際にとろみ剤を選ぼうとしても、たくさんの種類があって迷ってしまう方も多いと思います。 とろみ剤には主に3種類あります。
デンプン系(第一世代) ・においが変わる
・酵素の影響を受けるため安定しない
・早く粘度がつく
グアガム系(第二世代) ・少量で粘度がつく
・時間が経つとかなり変化する
・粘度が出るタイミングが温度によって異なる
キサンタンガム系(第三世代) ・味やにおいがあまりしない
・透明感がある
・時間が経っても変化が少ない
・粘度が出るタイミングが温度によって異なる
現在はキサンタンガム系(第三世代)のとろみ調整食品が主流となっています。
片栗粉で代用できない?
とろみ調整食品は、唾液で「サラサラ」になることはありません。
★こんな経験ありませんか? 中華のあんかけごはんや八宝菜などを食べているとき、最初の方はとろりとしていたのに、最後の方で水っぽくなっているということ。
野菜の水が出てきたからということも、もちろんあるとは思いますが、だんだんと片栗粉がお箸やスプーンに付いた「唾液」と交わって、溶けてしまっていることが大きな原因と言われています。
ごはんを噛んでいくとモチモチしていたものが、口の中でだんだん「サラサラ」してきますよね?
でんぷん食材というのは、唾液に含まれている酵素(アミラーゼ)の力で分解されて、「サラサラ」になるのです。
これは、でんぷん食材であれば何でもそうで、米だけでなく、パン、麺、片栗粉もそうです。
嚥下が悪くなってきたからと、「片栗粉」でとろみをつけると、最初は良い状態でも、 徐々に「とろみ」がゆるくなっていって、最後の方では「サラサラ」の状態に!
「片栗粉」では、せっかくつけた「とろみ」が徐々になくなってしまい、危険な飲み物に戻ってしまいます。
とろみ調整食品の特徴
・唾液で「サラサラ」になることはありません。
・入れたら加熱をしなくても「とろみ」がつきます。
・入れた分だけ「とろみ」がつくので、調整も簡単。となります。
食事中の誤嚥を防ぐためには食事内容がとても大切です。しっかりと混ぜて、とろみがつきにくいものは少し時間を置いてさえ使えば、
とろみ調整食品は非常に使い勝手が抜群です。
使い方をしっかりと守って、とろみ調整食品をうまく活用して、誤嚥を防いでいきましょう!
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まとめ
それぞれの良い点を活かして、安全なとろみ食を提供できるようにしていけたら良いですね。^^
次回はとろみの濃度についてお話ししたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。_(._.)_