今回のテーマはユニット型特別養護老人のメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。従来型特別養護老人ホームとユニット型特別養護老人に務めた経験からそれぞれの特徴を綴っています。見て頂ければ嬉しく思います。
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ユニット型特養のメリット
ユニット型特養のメリットをまとめてみました。
- 個別ケアが実現
- 比較的新しい建物が多い
- 個室のため家族が訪問しやすい
- 介護スタッフとの関係を構築しやすい
個別ケアが実現
ユニット型特養の居室は全て個室のため、入居者一人ひとりの状況に合わせた個別ケアが可能というメリットがあります。また、プライバシーが守られる上、入居者ごとの生活リズムや性格を尊重した生活をサポートを受けられます。
一方で、共有のリビングスペースを囲んで個室が配置されているため、ほかの入居者とコミュニケーションを取りやすいのもメリットです。部屋を一歩出ればスタッフやほかの入居者と交流できるため、寂しさを感じにくく、ストレスも軽減できます。
比較的新しい建物が多い
ユニット型特養は、平成14年度に施設整備補助基準制度に変更があったことでサービスが開始されました。施設の設計や間取りが従来の基準と異なるため、建物はこれ以降に建てられたケースが多いです。
設備も新しいことが多く、従来型特養に比べて快適な生活空間が期待できま
ユニット型特養のデメリット
ユニット型特養への入居を検討する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかり確認しましょう。
- 従来型特養と比較して費用が割高になる
- 人間関係のトラブルで居心地が悪くなることも
従来型特養と比較して費用が割高になる
繰り返しになりますが、ユニット型特養は従来型に比べて1カ月あたり4万円程度費用が多くかかります。個室のため賃料が高くなるとともに、光熱費などもやや割高です。
高齢者は収入が限られているため、ユニット型の割高な費用はデメリットと言えるでしょう。
人間関係のトラブルで居心地が悪くなることも
ユニット型特養は従来型に比べて入居人数が少ないため、入居者同士の距離が近く、関係がこじれると修復が難しいことも。人間関係のトラブルが原因で、退去を余儀なくされるケースもあります。
- 施設が決めたスケジュールに沿って起こされる
- どこで過ごしたいかを聞かれることなく、リビングに連れて行かれる
- 空腹であってもなくても、決まった時間にご飯が出され、食べてと言われる
- 決まった曜日と時間にお風呂に入れられ、自分の意思とは関係のない取り組みに参加させられる
- 時間とともに再びベッドイン
従来型特別養護老人ホームとは
ユニット型特別養護老人とは
ユニット型特養は、10名程度を1ユニットとする少人数のグループに分けて介護サービスを提供する施設です。
各ユニットには、専任の介護スタッフが配置されていますので、一人ひとりの利用者に寄り添った適切な個別のケアを提供できます。
また、共有のリビングスペースを取り囲む形で、個室の居室が配置されていることも大きな特徴です。
このような配置の工夫によりプライバシーを守りながらも、他の入居者との交流もしやすくなり、各入居者が孤立することなく、寂しさも解消しやすいのです。
新しいユニット型特養はすべて個室ですが、従来型の特養は多床室が中心になっています。
多床室の場合、利用者のプライバシーが損なわれやすいという問題があります。プライバシーを確保できない環境で長期間入居することは、利用者にとって大きなストレスです。
加えて、大人数での介護に不満を持つ利用者や疑問を抱くスタッフも増えてきて、改善を求める声が強くなってきています。そこで、完全個室のユニット型に対するニーズが増えてきたのです。
ユニット型特養であれば、完全な個室ですので従来型では難しかった利用者のプライバシーを確実に保つことができます。
しかも、日常の生活を共にするユニット内の利用者が少人数ですので、まるで自宅で家族と過ごすような通常の日常生活に近い環境が作られています。
ユニット型特養の間取りは、上の図のようになっています。
ご覧のとおり全室個室で各個室の真ん中に共有リビングがあるのが特色です。
この点は、4人部屋が中心の従来型との大きな違いになります。上でも述べましたが、ユニット型のこの作りは、自宅にいるような気持ちでくつろいで利用者に過ごしてもらうために考案されたものです。
このユニット型特養の推進に厚生労働省も力を入れています。そのこともあり、2001年以降に開設された特別養護老人ホームでは、ユニット型が主流になってきています。
ちなみに2018年9月に厚生労働省は、ユニット型特養の個室面積を、それまでの13.2㎡から、従来型個室と同様の10.65㎡に見直しました。
厚生労働省が決めている特養の人員配置基準では、看護職員か介護職員を入所者数3人に対し1人を置くことになっています。
この基準は従来型にもユニット型にも適用されるものです。
ユニット型特養の場合は、この人員配置基準に加えて以下の基準が適用されます。
- 昼間は、1ユニットごとに常時1人以上の介護職員か看護職員を配置する
- 夜間は、2ユニットごとに1人以上の介護職員か看護職員を配置する
- ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置する
つまり、ユニット型の場合、各ユニットに必ず専任スタッフが就くということです。
違いはどこ?どっちが良い?
少人数とは言え同じユニットの他の入居者と共同生活を送りますので、トラブルが起こるリスクが0とは限りません。
たとえば、好ましくない事例として以下のようなことがありえます。
- ボス的存在の入居者がいて暮らしにくい
- 何かにつけてお節介な人がいてうっとうしい
- ユニット内での会話がほとんどない
- 大声で騒ぎ立てる人がいる
場合によっては、このようなことが原因で退去せざるを得ないことにもなりかねません。
ユニット内の人間関係が良ければ快適に過ごせますが、逆に人間関係のわずらわしさが入居者や家族にとって、懸念材料になる場合もあるのです。
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まとめ
ここまでユニット型特別養護老人ホームのメリットとデメリットについて綴ってきました。どちらが良いかは入居される方の個性や生活習慣で違ってきます。 快適に暮らしていける施設選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。