今回のテーマは接遇! その中でも言葉使いのマナーに絞って普段私が感じていることをお話ししたいと思います。考え方は人それぞれです。私個人の考え方です。見て頂ければ嬉しく思います。
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接遇と言えば以下の5原則が存在します。
接遇マナー5原則
★原則1:挨拶 ★原則2:身だしなみ ★原則3:言葉遣い ★原則4:表情 ★原則5:態度
「接遇」は、「応接する、もてなす」という意味があります。接遇と似ているワードとしては「接客」が挙げられますが、接客は顧客に対応することであり、もてなすという意味ではありません。
★接客︰相手が必要としているサービスを提供すること
★接遇:相手に不快感を与えないために「マナー」を守りながら、思いやりをもった接客をすること
介護で使用される接遇とは、相手が必要としていることを考えながら思いやりをもっておもてなしするという意味をもちます。
言葉遣い
利用者さんは職員よりも経験豊富ですし、それなりの経歴を持っていた方なども少なくありません。
ケアを行うスタッフとして、親しみを込めていても丁寧な言葉遣いで接しましょう。
距離を置いたお客様のような扱いでもなく、馴れ馴れしいく友達のような扱いをするのでもなく、介護を行う専門のスタッフとして関わる意識が大切な事と思います。
言葉選びも重要です。利用者さんやご家族に対して説明するときでも、専門職にしかわからないような専門用語は避けて、誰にでもわかりやすい言葉を選びましょう。
ケアする際には、相手との上下関係が生まれてしまうため、「○○をしてあげる」という言葉は使わないようにしましょう。利用者によっては、「介護してもらっている」と感じてしまい、プライドが傷ついたり、畏縮したりしてします。利用者にサービスを提供する際には、「○○をします」「○○をいたします」などといった言葉遣いを心掛けましょう。
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避けたい口調
上にたって命令するような言葉遣いや馬鹿にするような発言、子どもに諭すような口調は本人がいないところでも避けましょう。利用者さんからすると、尊厳を損なわれたと感じます。虐待と捉えられるような言葉遣いにも気をつけましょう。
また、つい言ってしまいがちな「立たないで!」「座ってて!」「○○をしては駄目です」と、行動を制限しなければならない場面も多いですが、行動を制限する言葉はスピーチロックと言われ、拘束に当たるため、NGとされています。
相手の尊厳を傷つけてしまう可能性があるため、行動を制限する言葉は使わず、「〜していただけますか?」などと声を掛けることで、利用者の判断に委ねる形で、利用者の尊厳を守ることが大切です。
命の危険がある場合は仕方なしと言われるかもしれませんが、使わなくて良い施設の環境や体制を作る事が大切です。・・・ ここは施設運営に携わる位置の方々にお願いしたいところです。^^;
- 友達口調
地域制もあり、全てを標準語にしてしまうと伝わらいこともあります。方言があれば丁寧な方言 を心がげましょう。
- よそよそしい話し方
友達口調とは逆で、あまりにも事務的な話し方は冷たさを感じます。利用者さんが声をかけてきたときは、笑顔で優しい受け答えを心がけましょう。
- 命令口調
利用者さんを支援するとき時折耳にする言葉! 例えばトイレでの支援「はい、手摺を持って、立ってー!や、立つよ!」・「はい、座ってー」 水分補給では「○○さん、お茶飲まんね!」食事の時間では「残さんで食べにゃ!みそ汁も飲まんと!」支援者の意思が優先になっていませんか?
「手摺を持って立ってもらっていいですか?・お茶飲みましょうか。・もう少し食べれますか。」 など少し変えるだけで威圧感はなくなります。優しい言葉使いを心がけましょう。
- 馬鹿にする言葉や態度
以前これは酷い!!という場面を目にしました。脳梗塞の後遺症で左半身に麻痺が残り片麻痺状態の利用者さん。口元も常に半開きで閉じることができません。食事の時どうしても時間がかかります。また、口元からの食べこぼしの量も多かったのは事実です。
それを見ていた二人の支援者からの一言、「なんでそんなにこぼすの、子供より行儀が悪い!と怒り心頭の態度の女性。時間がかかりすぎと食事終了時間を勝手に決めて残り時間を10、9、8、とテンカウントを始める。0になったらはい終了~と乱暴に食器を片付ける男性。これほどひどい光景を目の当たりにしたのは初めてでした。これは完全に虐待行為です。
自分の意志や自己の力ではどうしようもない事があります。高齢、認知機能の低下、病気、などで 出来ないことが増えていき心を痛めているのは利用者さんご本人様です。 そのことをしっかりと受け止めて信頼される言葉や態度で接しましょう。
- 子どもに話しかけるような口調
小さな子供に話しかけるような場面を少なからず目にします。食事支援の時、「アーンして、もぐもぐごっくん、ごっくんできたね、偉いね~、ほ~ら美味しかったね~」等々
自分より明らかに年下の職員から赤ちゃん言葉を使われるのは利用者さんにとって有難いわけではなく、不愉快であることは間違いないでしょう。
また、馬鹿にする言葉にも当てはまります。
- あだ名など馴れ馴れしい呼び方
尊厳に配慮した呼び方を行うために基本は名字で利用者さんを呼びましょう。同じ名字の方がいる場合や元々名前で呼ばれていた利用者さんは名前にさんを付けて呼ぶこともあります。 下の名前にさんを付けて利用者さんを呼ぶことをNGとする意見もありますが、信頼関係が築けていて敬意を祓った声のトーンであれば個人的には良いと思います。
自分の家族ではありません。「おじいちゃん、おばあちゃん」「じっじ、ばーば」や呼び捨て・ニックネームで呼ぶことはやめましょう。
「○○ちゃーん」名前にちゃんを付けて呼ぶ方がいます。私が務める施設にも全員ではなく特定の方にちゃん付けする職員が数名います。 施設の会議でも議題に上がり【ちゃん付けはやめましょう。】と決定されたのですがなかなか改善されません。
ちゃん付けで呼ぶことで、利用者さんを下に見ていることになります。赤ちゃん言葉や馬鹿にした言葉と態度、上から目線の命令口調等々避けたい口調につながってしまいます。
又、思わぬ弊害として「ちゃん付けで呼ばれたくないけどあの人を、○○ちゃん○○ちゃんと呼んで贔屓(ひいき)している。」と訴えた利用者さんがおられました。いらぬ嫉妬心を抱かせる原因となってしまいました。
ご家族からの依頼や利用者さんがちゃん付けでないと理解できない場合を除き 名前に「ちゃん」付けはやめましょう。
虐待に捉えられる言葉
近年心理的虐待が問題になっています。言葉の暴力いわゆるスピーチロックです。 介護現場で「うるさい」「黙ってて」「今忙しい」「何回もおなじことを言う、聞く」といった言葉が上がりがちですが、避けたい口調全てが虐待につながってしまいます。
虐待につながらない適切な言葉使いを身に着けましょう。
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まとめ
今回は接遇について、中でも個人的に一番気になっている言葉使いにスポットを当ててお話ししました。コロナ禍で利用者さんがご家族様との面会も予約制など制限がある中、職員もご家族様と接する機会が以前より少なくなり緊張感が薄れているように感じます。
名前を呼ぶときにちゃんを付けたその時点で、利用者さんを下に見ていることになり全ての不適切な言葉使いに繋がると個人的に思っています。
常に今ご家族様が見ていても大丈夫と自信をもって言える言葉遣いや態度で接してますか? 人間は100パーセントではありません。私もたまに自信がないときがあります。
この記事を書きながら私自身も再確認することが出来ました。心と身体を健康に保ち余裕を持って接することが大切ですね。
長文になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。